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別に難しいことを書こうってわけじゃないのですが、PC業界でちょっと話題になっていることがあったので、あまりPC関連の記事を読まれない方にも読んで欲しいと思って、ここで取り上げることにしました。
話の発端は、CPUメーカーのAMDがintelを訴えたということ。国内でもそれぞれの日本法人が訴え、訴えられたわけですが、PC Watchの連載コラムでライターの元麻布春男氏がこの一件に関連する話を書いておられました。ぜひご一読ください。(参照記事)
ボクは最近、すっかりケータイ業界の人になってしまったので、PC業界とはちょっとご縁が少なくなってしまっているのですが、元麻布氏のように、こういうことをきちんと言える書き手が居るってことがPC業界のいいところですね。以前、ボクも旧Telecom FreeTalkで似たような話を書きましたが、PC関連のメディアって、ある意味、健全だと思うんです。いいものはいいと書けるし、ダメなことはダメと書ける。ただ、一部にそうじゃない人たちも居たようで、それが結果的に今回の一件につながったのかな。
本当に記事を削除するようなことがあったのかどうかは知りませんが、ボクの周りではそういうことは起きてないし、そういう話も耳にしてません。ちなみに、個人的にもっとも付き合いが古い雑誌のひとつ「DOS/V PowerReport」では、編集長名義でこんなコメントも出してますが、メディアがこういうコメントを出さなきゃいけないってこと自体、ちょっと残念な気がします。それくらい、今回の日本AMDの発表とその手法には、問題があったということかもしれません。あと、記事に対する圧力の一件で、きちんと意見を述べてるPC関連メディアがあまり多くないのも気になるところですが……。
「じゃあ、ケータイ業界はどうなのさ」って聞かれると、少なくともボクはキャリアやメーカーから記事を削除してくれって言われたことはないかな。記事に対するクレームというか、「そんなに厳しいことを書かないで……」とか「いったい、どういうつもりなんだ!」的なことは何度か言われましたが……(笑)。まあ、辛口の記事を書いていれば、自ずとそうなりますよね(記事広告とかは別にして)。でも、原稿は書いたけど、記事として掲載できなかったことは正直に言って、何度かあります。関係者との協議の結果、掲載を見送ったということです。一種の自主規制みたいな形でしょうか。決して、お手盛りではありませんが、記事を掲載したときの影響や掲載する意義などを鑑みて、見合わせるってことは希にあります。
でも、ケータイ業界に関わるメディアも今回の一件を「他山の石」として、考えるべきところはあるんじゃないかな。PC業界でこういう問題が起きた背景には、ここ数年、PC業界でくり広げられてきたベンチマーク偏重主義やスペック至上主義もあるだろうし、ユーザーにとって、本当に何がメリットなのかをメディアが伝え切れてない部分もあると思うんす。最新機能を搭載したケータイには興味あるし、使ってみて面白いとは思うけど、これからの業界全体のことを考えると、他にもやらなきゃいけないこと、取り組まないといけないことがあるはず。それをちゃんとこなしていかないと、いつかケータイ業界も似たような状況に陥ってしまうかも……。ま、何にせよ、業界に関わる者としては、しっかり頑張らないといかんですな。
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2005/07/03
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